仁和寺
二王門をくぐって境内に入る。
広大な敷地、多くの歴史的建造物の数々、規模の大きさに驚く。
粋だとか、感性とは別の、実用や日常に近い所で機能してきた仏教施設という印象である。
地道に、脈々と受け続けられてきた仏教の場があり、それを提供し、守られてきた建物と敷地。
日本を形作って来た歴史と、エネルギーを感じる。
宇多天皇が仁和(にんな)4年(888年)に創建。
以降、代々皇族が住職を務め、平安・鎌倉期には門跡寺院として最高の格式を保ってきたが、応仁の乱の戦火によって境内のほとんどが焼失。
その後、徳川家光によって仁和寺の再興が承諾され、御所、金堂、御影堂といった現在にも残る建物が次々整備され、1646年には、ほぼすべてが創設当時の姿に再建。
世界遺産に登録されている。
仁和寺二王門
徳川家光の寄進によって、1641年代に建立された(国重文)。
知恩院の三門、南禅寺の三門とともに京都三大門の一つ。
仁和寺の二王門は、平安時代の伝統を引き継ぐ純和様で建てられている。
仁和寺宸殿
境内の御殿群中央に建つ大きな建物。
入母屋造檜皮葺。寝殿造の外観、書院造の内部構成。
渡り廊下
白書院、黒書院、宸殿、霊明殿が結ばれている。
仁和寺五重塔
北庭から五重塔を望む。
五重塔は、高さ36mにも及ぶ。1644年建立。
仁和寺金堂
仁和寺本堂。現在の金堂は、1613年造営の内裏紫宸殿を移築したもの。
当時の宮殿建築を伝える現存最古の紫宸殿として、国宝に指定。
仁和寺経蔵
金堂と並んで建つ経堂。
屋根は宝形造。禅宗様の建築物(禅宗様は唐様とも言われる)。