ノースアメリカン P51 ムスタング
入ってすぐのターンテーブルに置かれていたのは、ピカピカのP51ムスタング。
今まで見てきた、第二次大戦中の他の機体とは、明かに次元が違う。
最近製造されたと思う程の精度感、仕上げの良さ、そして圧倒される造形美。
写真でも機体の美しさは分かるが、実機の綺麗さは驚くばかりで、見入ってしまう。
スピットファイアを目的でここに来たけれど、スピットファイアよりもインパクトがあった。
Model: P-51D-30NA
Power Plant: Rolls-Royce Merlin V-1650-7
参照:Warbird Depot
どこから見ても、綺麗。内部の作りも信頼性が溢れている。
仕様書に従い、決められた品質管理の下で、整然と製造されて来たお手本があった。
それを可能にした、産業全体の裾野の広さと国力に、含めて感じ入った。
工業先進国の実力を実感した瞬間だった。
「かなう訳が無い」と、思った。
連合国側(特にアメリカ)の戦闘機には、欠点が少ないという。
広い視野に立った戦略的な開発が行われていた。
敗戦国側は、短絡的、目先に拘泥した要求に終始し、多くの機体が開発され、成熟したものが少ないという。
とりわけ欠点の少ない優秀な機体が、P51ムスタングであり、第二次大戦の最高傑作機といわれる。
しかし・・・
ここに展示してある、複葉機をはじめとする多くの機体、様々な発動機をはじめとする、ヨーロッパの戦闘機の歴史を眺めたとき、よくも日本は、彼らに追いつき、肩を並べ、さらに、三菱ゼロを代表とするファイターをもって凌駕したという事実に、改めて誇りと共に驚嘆したのだった。
機体デザインは、Edgar Schmued(1899〜1985)。ドイツ系アメリカ人。エアクラフトデザイナー。