付録:ホクダン D2
マイナーですが、興味を引かれたストーブがあります。
北海道旭川市の(株)ホクダンが製造している「ホクダン サンストーブ D2」です。
このストーブはペレット燃料用として発売されています。
カートリッジ式の燃焼筒にペレットを充填して燃焼します。燃え尽きるとカートリッジごと交換します。そのため、予備の燃焼筒が一つ付いています。よって、室内での灰取りの必要はありません。
自然燃焼式だから送風のための電力も不用。また、燃焼筒とは別体で二次燃焼筒が付いていて、そこに二次空気が送り込まれて未燃焼ガスが燃えます。
つまり、二次燃焼筒も熱源になり、未燃焼ガスの燃焼により煙突も詰まりにくいという構造です。
意外にコンパクトで、レトロなデザインは田舎の古家に似合いそうです。
このストーブを知ったのは、今年(2009)1月初旬です。
この時点では構造等の詳細はわかっていなかったのですが、もしもオガクズを含めて燃やすことができれば、燃料確保の点で実に利便性が高いのではないかと考えました。
販売代理店に問い合わせてみた所、燃焼時間は大体3時間といいます。
4時間は苦しいかなという言い方(旭川とという寒冷地のせい?)。
ペレット専用では不経済だが、薪も燃やすことができるといいます。ただし、オガクズはやってみたことがないので分からないということです。
メーカーのストーブ担当者に問い合わせてみました。
担当者は、このストーブは、もともと小粒石炭用として設計されたもので、最初に上から燃焼が進んで石炭ガス(ペレットの場合は木炭ガス)が燃え、次にガス分の抜けた固形分が下の空気取り入れ口からの空気によって燃える。
よって、空気の通り道が必要であり、粉炭やオガクズのような粉体状のものは燃えないと、極めてクールに言うのです。
(多少記憶が曖昧なので、多少違うかもしれない。何しろ、下からの空気が上へ通気するような燃料でなければいけないということだった)
このストーブを知った時点では、詳細がよく分かりませんでしたが、その後、このストーブの紹介をしている「信州・里山のほほん生活」というブログサイトでの記事が充実してきて、使い勝手の詳細が分かるようになってきました。
このストーブにおける燃料としてのオガクズの可能性を、「信州・里山のほほん生活」管理人の「y__shiro」氏から頂いたコメントによりますと、オガクズを試したことはないが、そのままでも燃えるのではないかということです。むしろ、そのままでは燃えすぎるのではないかと言います。
チェーンソー屑は良く燃えたそうです。
若干問題点があります。燃焼室がオガクズ燃料にとっては小さいのです。
燃焼室の有効長が低い(およそ20cm)。ということは、オガクズでは熱量が足りない。また、燃焼室の直径が小さい(24cm)。
おそらく、私が一斗缶を使ってテストしたものと同様の燃焼時間と熱量ではないかと思われます。
(この評価は、長時間の連続燃焼を求めたい私の要求が基準になっている)
ただし、私のような家具工房や木工所等で、オガクズが出る場合、それを確実に燃料として使えます。
オガクズだけなら2時間はもつはずです。端材と共に詰めてもいいでしょう。
もしも、そのまま詰めて燃えなければ、中央に煙道を付ければ確実に燃えます。
つまり、このストーブは、ほとんど全ての木質系燃料に対応しているということになるのです。
しかも、燃料が燃え尽きたら、燃焼筒の交換か、「y__shiro」氏が行っているように、通常の薪ストーブのように、薪を追加しながら燃焼の継続ができるのです。
しかし、このストーブに関しては、あまり、ソーダストに拘る必要は無いとも思えました。
その他の付随事項。
このストーブは、そのままフローリング等の木床に置いても熱の影響はないという販売店のコメントです。
耐久性は高く、10年はもつとのこと。
画像で分かるように、主要な部分は鋳物部品であるため安心。
実際に使ってみないと分かりませんが、良心的な商品のように思えます。
販売元:旭設備有限会社
名称:ペレットストーブD2縦型
本体外形寸法:500mm(H)×320mm(W)×520mm(D)
本体重量:22kg
燃料:木質ペレット
燃料投入量:6kg/回
燃料消費量:1~2.5kg/h
熱出力:4,000~8,000kcal
暖房面積:40畳(66㎡)
排気筒呼び径:106mm(3.5寸)
予備燃焼筒
400㎜(H)×240㎜(φ)
重量:約5.5Kg
2009年2月15日