興味の壺

メカデザイン、機器デザイン、プロダクトデザイン、伝統的アーキテクチャー等を紹介します。

メッサーシュミット Bf109

第二次大戦中の名機の一つ、メッサーシュミット Me109は、英国王立空軍博物館の暗い展示場の中、スポットライトを浴びて静かに佇んでいた。
この機体からも、強いインパクトを受けた。

英国王立空軍博物館に展示してあった、メッサーシュミット Me262 写真では、けして伝わってこない、強烈な印象があった。
勿論、それはどの国の機体も同様なんだけれど、Bf109は、英米の機体とは違う、独特な雰囲気をもって迫って来た。

カッコ良さや派手さで言えば、ノースアメリカン P51 ムスタングだろう。
優美さでは、スーパーマリン スピットファイアかもしれない。
しかし、Bf109 には、何とも名状し難い「味」?、というか、雰囲気があった。

メッサーシュミット Me262も同様だが、Bf109には、ドイツ民族に流れる血脈が生み出したと言わざるを得ない、独特の雰囲気を放射している。
この雰囲気を、ロジカルに解説できる能力を、私は持ち合わせていない。

機体設計のコンセプトに、「一撃離脱戦法」があったとされるため、基本的にこのようなフォルムになったのかもしれない。
一見、無骨に見えるのは、角ばった風防のせいかもしれないが、機体は小柄でスマート。ただ、視界は実に悪そうに見える。

兵器は、機能を最重視する究極の工業製品である。製品は、各機能の選択と集合の結果かもしれないが、そこに民族性や、個々の設計者の感性が明かに投影されている。
そこの比較は、常に興味深く、実にスリリングである。

Messerschmitt Bf-109 G-4 Messerschmitt Bf-109 G-4
参照:MilitaryAircraft.de

[参考] メッサーシュミット Me109は、1933年後半から設計に入って、35年の5月に初飛行。
その後、第二次大戦終了まで戦った唯一の戦闘機である(驚嘆!)。
(同時期、日本海軍の命令によって開発された機体は、九六式艦上戦闘機である)

単葉、全金属・応力外皮式、モノコック構造、密閉式の風防、引込脚など、第二次大戦で標準形態となったものを世界に先駆けてデザインしたドイツ空軍の傑作機。
総生産機数は、工場での修理再生分を含めて約30,500機。戦闘機史上最多。
(この部分は、ウィキペディアを参照・参考にした)