興味の壺

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丹生川上神社下社

国道309号を南下。橿原宮からは、車でおよそ50分。
街並みを抜けると周囲は山林に変わり、暫く走ると、国道沿いに丹生川上神社下社はある。

飛鳥時代、天武天皇により、675年創建。
こぢんまりとした神社だが、延喜式内社、名神大社、二十二社、官幣大社と、歴史上どの時代にも最高位の社格を有してきた。
雨乞いの神、日本最古の水神を祀る神社として有名。
特長として、丹生山山頂に鎮まる本殿まで続く、木製の七十五段の階(きざはし)が壮観。

丹生川上神社下社 拝殿 丹生川上神社下社 拝殿
画像と記事の一部は「橿原日記」からお借りした。

丹生川上神社 本殿への階段 丹生川上神社 本殿への階段
画像は「下市町てくてく情報」からお借りした。

古くから水銀や、朱色の顔料を取る鉱物を「辰砂」といい、日本では古来「丹(に)」と呼ばれた。
丹生(にう)という地名は、我国にもっとも古くから存在する地名の一つで、水銀を産する地域を表している。
通説では、古代の朱砂・水銀の採鉱精錬技術を有する氏族が、その産地を求めて各地を点々と移動したため、丹生という地名が全国各地に広まり、また、彼らが滞留した所々で信仰する水神を祀ったのが、やがて丹生神社になったとされる。
丹生川上神社下社も、そうではないかと推察されている。

以前の一の鳥居は、現在の神社から、約14〜15キロ離れた今の大淀町今木にある甲神社付近にあったという。
二の鳥居も、8キロも離れた下市町善城に建てられていた跡が残っているという。この神社の規模が昔はいかに大きく、参拝者がいかに多かったか知ることができる。

現在、丹生川上神社下社は、神社全般の修復を目指している。
修復見積り金額、2億6千万。しかし、川上神社下社は文化財指定を受けておらず、その道も極めて厳しいため、補助を受けることが難しい。
賛同者に寄付を求めている。