唐招提寺
唐招提寺は、唐の帰化僧、鑑真が建立した。
鑑真和上は、数々の困難を乗り越え、6度目の航海でようやく来日。
その時、和上66歳。76歳で日本の土と化す。
仏教の教えのため、命を賭して来日した仏弟子鑑真和上が眠る。
唐招提寺 金堂(国宝)
駐車場に車を止め、境内へ入っていく。
空気は澄み、優しい雰囲気に覆われている。
多くの樹木に囲まれて社殿が配置される。心休まる空間である。
一見、控えめな印象を与えるが、それが好感を生む。
参拝すべき寺院の一つと思う。
南大門をくぐった正面には、金堂が佇む。
無駄な加飾のない、清楚、シンプルな躯体が、一層の荘厳さをもって迫る。
地味だが、精神の高貴さ、懐の深さが伝わって来る。
伝統的神社建築とも導通するかのような、建築美がある。
金堂は、本堂であり、天平時代の金堂建築として唯一現存する。
寄棟造、本瓦葺きで、大棟の左右に鴟尾(しび)を飾る。
2000年から、平成の大修理が行われ、屋根部分には、大幅な補強が施された。
興福寺金堂も素晴らしいが、建物のバランスは、唐招提寺金堂のほうが良いと思う。
唐招提寺 講堂(国宝)
講堂は、創建時に平城京東朝集殿を移築し、寺院用に改造した。
現存する唯一の平城京遺構として、大変貴重なものである。
天平時代の講堂といえば、唐招提寺講堂と、法隆寺伝法堂だけ。
講堂は仏法を説く場であり、講義台も残されている。
講堂も、非常に清楚、シンプルで古さを感じさせない優雅さを併せ持つ。
唐招提寺 宝蔵(国宝)
画像にはないが、隣に立つ「経蔵」と共に、高床式の校倉造。
「経蔵」は、唐招提寺の創建以前から存在。正倉院より古く最古の校倉造。
瀟洒で、実に小気味よいバランスを持ち、心が和む。
唐招提寺 境内
境内中心部を観る。
画像中心奥は、「講堂」。左側軒は、「金堂」。
講堂右手前(2階建)は「鼓楼」。鑑真和上将来の仏舎利を安置しているため、「舎利殿」とも呼ばれる。
右は「礼堂」。南北19間の細長い建物。「鼓楼」の仏舎利を礼拝するための堂。