石山寺
石山寺は、滋賀県大津市石山寺にある東寺真言宗の寺院。
琵琶湖の南端近くに位置し、古く、由緒ある寺院。
紫式部は、この寺に滞在中、「源氏物語」の着想を得たらしい。
本堂は、天然記念物の珪灰石(「石山寺硅灰石」:日本の地質百選に選定)の、巨大な岩盤の上に建ち、これが寺名の由来になっている。
石山寺 参道
画像は、Happy and Comfortable Daysから。
石畳の参道が続く。
参道が長いのは、実にいい。
さらに、境内の広大さに驚く。
石山寺 本堂
画像は、ウィキペディアから。
本堂は、長い柱を多数立てて床を支える懸造(かけづくり)。
懸造で有名所は、清水寺、長谷寺など。観音を祀る寺院に多い。
善水寺 多宝塔(国宝)
石山寺 多宝塔。
石山寺には、この塔を見るために、やって来たと言っても過言ではない。
小振りで瀟洒な2層の建物。
方形の下層に、細い円形の上層を持ち、左右に広がる均整な屋根。
安定感のある、極めて優美な姿を持つ。
このデザインは、平安時代に考案された、わが国独自の仏教建築様式。
空海が高野山に建てた根本大塔を始めとして、密教系の寺院で見られる。
石山寺多宝塔は、源頼朝が寄進した、わが国最古のもの。
善水寺 多宝塔(国宝)上層部拡大
画像は、ウィキペディアから。
一瞬、奇をてらったような円形の上層部を持つこの建物は、決して、破綻するような脆さとは無縁の安定感と秩序を備え、あたかも、仏教理念の普遍性を体現している。 素晴らしい建築物。
境内は整備され、散策のためのコースが拡張されている。
それは、この寺が持つ宗教的歴史的な意味合いとは離れ、観光迎合に見える。
立体として具現化された、紫式部像は、ロマンを打ち砕く不要なサービスに映る。
石山寺に限らないが、歴史的古寺の本来の使命は何かと、感じた。